Webサイト制作は高い(その2)
コラム「Webサイト制作は高い(その1)」には、一般に言われている当たり障りのないことを書きました。以下、私が思うことを書いていきます。
サイト制作費が高すぎる、、、私もこの仕事を始める前はそう思っていました。費用だけなく、制作にかかる時間が長すぎる(大規模なサイトだと半年ぐらいかかります)。
しかし、ウェブサイト制作を勉強をするにつれて、安すぎる・早すぎるのはかえって不安だと思うようになりました。
内部のセキュリティ対策やアクセシビリティ(使いやすさ)、SEO対策(Google検索の上位に表示させる対策)などを無視してしまえば時間も費用もかなり抑えられます。ですがこれらの対策をしていなければ検索エンジンで上位に表示されることは難しくなるので、誰にも見てもらえないサイトになってしまう可能性があります。
デザインやレイアウトも、既存の素敵なサイトをそっくり真似てしまえば、デザイン料は抑えられます。ですが、これだと著作権の問題も出て来かねません。ウェブサイトはサイトの目的や業種によって適したレイアウト・デザインが違ってきます。目的をを曖昧にしたまま、単に流行のデザインのウェブサイトを作ったとして、ターゲットユーザーにアクセスされたとしても次のアクション(問い合わせや予約など)に繋がりづらいです。こうなってしまっては、安くても作った意味がありません。制作に入る前段階で時間をかけてヒアリングを兼ねて目的を明確化しておかないといけないのはそのためです。
高いものには理由がある
スキルマーケットの「ココナラ」で「ウェブサイト制作/ホームページ制作」で調べてみましたが、最安値では5ページで¥20,000 最高値で¥1000,000(ページ数の明記無し)でした。同じページ数でもこれほどの差があるのは
- 言い値である
- 機能(投稿機能・フォーム機能・多言語対応機能・ログイン機能、、、)がたくさん盛り込まれている
- WordPress(CMS)は比較的高い
- フルスクラッチだともっと高い
- セキュリティ対策やSEO対策といった内部の対策もできている(要するに高品質)
- マーケティング戦略も考慮されている(要するに高品質)
- コンテンツ(画像や文章)の作成も含まれている
- 企業(制作会社)は比較的高い
こんな感じかと思います。制作会社が比較的高いのは
- オフィスを構えている場合は人件費以外の費用が上乗せされる
- 分業(営業・ディレクション・デザイン・コーディング・プログラミング)であるがゆえに人件費が高くなりがち
- 外注している場合は中間マージンの発生
制作会社に依頼するメリットとしては
- ベテランデザイナー、ベテランエンジニアが在籍している(高品質が期待できる)
- トラブル時の保証が手厚い
- 分業であるがゆえに、各々の(営業・ディレクター・デザイナー・コーダー・プログラマー)のスキルが高い
メリットに挙げたものがすべて備わっているかどうかは実際作ってもらわないとわかりません。制作会社のウェブサイトや口コミ、実績で判断するしかありません。
安いものにも理由がある
高い理由の逆と考えればいいのですが、列挙していくと
- 実績が少ない
- セキュリティ対策やSEO対策といった内部の対策がなされていない、または別料金
- ブラック企業である、またはスクール卒業したての人に格安で外注している
- テンプレート(※)を使用しているため、デザインの工程を大幅に省略できる(デザイン費削減)
- フリーランスは比較的安い
※テンプレートは、レイアウトが決まっていて、各要素ののサイズなども調整されてた雛形があらかじめ用意されていて、後はテキストや画像をはめ込んでいくものです。WordPressの”テーマ”もテンプレートで、目的によって最適化されています。SEO対策にも強いテーマなどもあります。下手にオリジナルで作成するよりも高品質だったりします。
ただし、同じようなレイアウトになりがちです。
フリーランスが比較的安い理由
- 1人ですべてを請け負うので人件費が抑えれれる
- 自宅兼オフィスである
- 競合が多すぎるので価格で勝負
フリーランスに依頼するメリット
- 間に人を挟まないので、レスポンスが早い
- 悪徳であったりポンコツなフリーランスは早々に淘汰される世界なので、基本的に生き残っているフリーランスは全員まともで良心的である(願望)
フリーランスに依頼するデメリット
- Webサイトで集客を目的にしている場合に必要になってくるマーケティングの知識が浅い場合がある
フリーランスに依頼する際の注意点
- フリーランスが外注するケースもある
- 1人ですべてを請け負うので、各工程の技術が低いこともある
このあたりは、ベテランフリーランスだと安心なのですが、ベテランか駆け出しか、または駆け出しでも技術は高い、などは見分けづらいです。これは公表しているポートフォリオ(デモサイト)、実績を見て判断するしかありません。
実は自分で作れる
コードを書かなくてウェブサイトが作れるツールがあるのです。これらのツールの例として”Wix”は2006年に登場しました。近年では他にも種類が多数あります。2014年ごろからはデザインやカスタマイズの自由度が向上し、プロフェッショナルなサイト制作にも対応できるようになりました。2020年以降はさらに進化し、AIの搭載や自動化機能が追加され、より効率的にサイト作成ができるようになっています。ただ、コードを書かなくても作れるとはいえ、それぞれのツールには慣れが必要です。ウェブ制作者の私にとっては脅威でしかありません(!)
ウェブサイト制作が高いのにも安いのにも理由があるということを書きました。なので、依頼する時は制作会社でもフリーランスでも、かならず相見積もりをしてください。見積もりをしてもらう際には、サイトを作る目的や想定するターゲット、必要機能などいくつかの質問に答えてもらうヒアリング期間があります。その時の担当者との相性もみておいてください。サイト制作には規模にもよりますが数週間、または数カ月かかるものです。制作に入ってからも修正依頼や確認など連絡を取り合うことも多いです。トラブルなく納品まで進めるには相性の良しあしはとても重要なポイントです。