Webサイト制作は高い(その1)

Webサイト制作の料金をサイトの規模で調べたところ(2025年2月9日時点)

小規模(10ページ以下) 10万円~50万円
中規模(10~30ページ) 50万円~100万円
大規模(30ページ以上) 100万円~

静的サイトならhtml/cssの知識があれば、無料で作って公開できるWebサイトです。動的サイトではhtml/cssだけでなくサーバー関連の知識が無くてもツール(Wixやペライチなど)を使えば無料で作って公開出来ます。ただし、1.デザインにこだわりが無い 2.独自ドメインも必要ない 3.各ツールのクレジットが入る これが前提です。

無料で作れるのに制作会社やフリーランスに依頼すると高くなるのは、完全に自由にデザインできること以外に、サイトを作る目的に合わせた設計、ユーザーの導線に加え、静的サイトであればセキュリティ設定、動的サイトであればシステムのインストールや機能の導入など、サイトの規模と比例して工数が増えていくからです。また、制作以前に競合他社のWebサイトの分析やSEO対策の一つであるキーワード選定までもやってくれるのであれば、その内容と比例して高くなります。

つまり、私たちユーザーがブラウザを通して見ているもの以外に様々な対策が練られています。

また、制作会社とフリーランスでは、比較的フリーランスの方が安く作ってくれることが多いです。これについてはコラム「Webサイト制作は高い(その2)」に書きました。

表面のみでわかること

比較的安い

比較的高い

表面だけではわからないこと

高額な料金を設定しているWebサイトには以下のような工程まで含まれてることが多いです。

制作前の段階

制作中~制作後

※SEO対策:検索エンジンの上位に表示させるための対策(いわゆるGoogle対策)

このような工程が含まれているサイトと含まれていないサイトでは見た目には変わりません。ですが、サイトを作る目的が「認知」や「集客」「人材募集」である場合、後にその効果の差が出てしまいます。中でも制作前の分析・調査や公開後のSEO対策はマーケティングの分野で、Webデザイナーが片手間でやるのは難しいと思っています。

制作会社・フリーランス問わず、制作者は「表面だけではわからないこと」で列挙した工程をある程度はやっています。でないと質の高いサイトが作れないからです。どこまでやるかが金額の差になるのです。専門的なマーケティングの部門がある制作会社が高額になるのはそのためです。

サイトが高額になる理由を深堀り…

オリジナルのデザインで作られている

ここでいうデザインとは、見た目だけでなくレイアウトや導線を考慮したデザインを指します。これはWebデザイナーのスキルによって大きく差が出ます。単に流行を取り入れたかっこいい見た目が実装できるということではなく、ターゲットユーザーの導線を考慮したレイアウト、見やすさや使いやすさを追求したデザイン、会社のブランドに合った配色・フォント選びなども考えて全体をデザインできるのがスキルの高いデザイナーといえます。

機能が豊富である

追加する機能にもよりますが、一般に工数がとても多くなります。カート機能(決済機能)のような複雑なものだと、かなり高額になります。カート機能が必要なサイトであれば、ECサイトに特化した「カラーミーショップ」「STORES」「BASE」「Shopify」「EC-CUBE」といったツールもあります。

WordPressには様々な機能が既に備わっています。 備わっていない物はプラグインで補うこともできます。★★リンク(コラム「WordPressについて詳しく」を執筆)

WordPressの特徴は「コーディングの知識がなくても、直感的な操作でウェブサイトを作成・更新でる」といったものですが、これは既存のテーマを使った場合です。
完全にオリジナルのレイアウト・デザインで作る場合は、ある程度知識が必要です。
WordPressでサイトを作ると高額になるのはそのためです。

また、WordPressは、ソフト自体と、プラグインごとに適時更新して最新の状態を保つことが必要(セキュリティ対策)です。(小規模なアップデートなら自動化することもできます)。これを怠ったがためにサイバー攻撃に遭い、情報漏洩したという事例が後を絶ちません。

複雑なアニメーションを取り入れている

これが高額になるのは言わずもがなですが、個人的にはサイトの目的によっては不要だと思っています。★★リンク(コラムで「アニメーションいるかいらんか問題」を執筆す)

フルスクラッチで作られている

既存のテンプレートやCMS(コンテンツ管理システム、代表例はWordPress)などを利用せずに、Webサイトの設計からコーディングまでをすべてゼロから行うこと。開発期間や工数が膨大になるため、かなり高額になります。

WordPressを使えば、ほとんどのWebサイトが作れるにもかかわらず、フルスクラッチで作るにはいくつかの理由があります。WordPressはその導入しやすさや拡張の自由さゆえ、世界中で利用されています。WordPressは、自由に拡張できるためにプログラムの構造が公開されています。なので、悪意を持った人がプログラムの脆弱性を見つけやすく、攻撃しやすいという側面があります。適切な対策をしていればさほど問題が無いですが、少しのリスクも許されないような金融機関のWebサイトや大企業のWebサイトではフルスクラッチで作られることが多いです。


と、ここまでは当たり障りのない一般に知られた事ですが、個人的に付け足すとWebサイトの料金に差があるのは

オーバースペック(機能過多)である

サイトを作る目的が「名刺代わり」であり、後の拡張も想定していないなら、テンプレートを使用した静的サイトで十分です。ただ、サイトを公開しただけでは十分なアクセスは得られないので、Web広告や、SNSの活用といった他の対策が必要です。

言い値である

前述したようにWebサイトには見えない部分に力を入れるかどうかで作る側の労力も制作期間大きく変わります。具体的に「〇ページでいくら」と言えないのはそのためです。
とはいえ、他社と比較して高額だからと言って質が高いとも言い切れません。もしかしたら「調査分析・SEO・セキュリティ、全ての対策やってます」と謳っていても、そこは見えない部分だからこそ本当にやっているのかわからないですよね。いわゆる”レモン市場”ですね。

良いパートナーを選ぶには、口コミや実績をじっくり見て判断することを心掛けたいですね。